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第63回グラミー賞(2021)BTS受賞の可能性を考察

今回は、BTSの受賞を考察していきたいと思います。ノミネートされたカテゴリーの一覧とアメリカでBTSがどう評価されるのかどうかを、分析していこうと思います。

BTS(防弾少年団)とは

簡単にご説明しましょう。最近では日本でもかなり知名度は高く、特に10~20代を中心にファン層が広がっている印象があります。

2013年に結成された韓国の7人組のヒップホップグループです。2015年頃からヒップホップというより、ポップな楽曲を出しているイメージがありますね。その頃から人気が急上昇し始めました。グループ名には、「10~20代に向けられる社会的偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜く」という意味が込められています。ビルボードでもランキング1位を獲るなど、アイドルやKPOPの枠を超えてアメリカでも高いセールス力を誇っています。

MMAやMAMAなど、韓国やアジアでも大きな賞を受賞していて、日本でもゴールドディスク大賞を受賞しています。2017年にはビルボード・ミュージック・アワードにて、トップ・ソーシャル・アーティスト賞を受賞しました。アメリカン・ミュージック・アワードも2018年に受賞。ビルボードとアメリカンのアワードは2020年まで連続受賞しています。輝かしい経歴に添えたいもので、残るはグラミー賞のみといったところです。

グラミー受賞対象曲「Dynamite」も含まれる『BE (Deluxe Edition)』が2020年11月に発売されています。こちらは PHOTO BOOKやMAKING BOOK、PHOTO FRAMEなどが含まれる仕様となっています。


BTSがノミネートされているカテゴリー

「最優秀ポップデュオ/グループ・パフォーマンス賞」

デュオやグループ、コラボレーションの形で、優れた歌唱または演奏を行ったアーティストに贈られます。対象はシングル曲です。ちなみに昨年は、リル・ナズ・Xとビリー・レイ・サイラスの「Old Town Road」が受賞していましたね。2010年代にはレディー・ガガやブルーノ・マーズ、ダフト・パンクなどが受賞しています。

BTS 「Dynamite」

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ビルボードHOT100で、チャート1位を獲得しました。これはアジア人では坂本九「上を向いて歩こう」以来、57年ぶりの快挙です。そしてこの部門に選出されるのは、アジア人では初となります。70年代のディスコやファンクとK-POPのエッセンスを抽出したポップなサウンドは、耳に残りやすいですよね。BTSは今年、「アメリカン・ミュージック・アワード」「ビルボード・ミュージック・アワード」も受賞しています。

Lady Gaga & Ariana Grande 「Rain on me」


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この曲もビルボードで1位を獲っています。レディー・ガガとアリアナ・グランデという、とても強力なタッグです。ガガが「涙の祭典」と表現した楽曲で、このMVについては「女性を称賛することを目的としている」とガガは語っています。このMVは、7つのMTV主催のアワードにノミネートされ、Song of the  Yearなど三部門を受賞しています。

Justine Bieber Ft.Quavo / 「Intentions」


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クエヴォと組んだ最愛の人に贈るラブソングです。MVではロサンゼルスの慈善施設「アレクサンドリアハウス」を舞台にしています。女性や子供が危機から逃れ、安定した生活を送れることを目的とした施設です。前向きなメッセージが伝わる楽曲ですね。彼はIntentions基金も立ち上げて、寄付も行いました。

J Balvin,Dua Lipa,Bad Bunny & Tainy / 「UN DIA(One Day)」


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こちらも強力なチームですね。今回主要三部門を含め多数ノミネートされたデュア・リパを筆頭にJ・バルヴィン、バッド・バニーと3人の歌手が、憂鬱なレゲトンビートの楽曲を歌っています。タイニーはプロデューサーですね。ノスタルジックな夏を連想させるこの楽曲は、US HOT Latin Songsでは1位を獲得しています。

Taylor Swift Ft.Bon Iver / 「exile」


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楽曲は落ち着いていますが、これも強い力を持っている楽曲ですね。ジャスティン・ヴァーノン(ボン・イヴェール)とテイラー・スウィフトの、感情を包み込むような歌声が胸にしみます。テイラーのアルバム『フォークロア』全収録曲は、ビルボードHOT100に全て入りました。そのうちの1つであるこの楽曲は、6位にランクインしています。

BTSが賞を獲得できる可能性は?

ノミネートされた楽曲を上に並べましたが、ビッグネームが並ぶ超強力な布陣ですよね。簡単に賞が取れるわけではなさそうです。ですが、受賞出来る可能性は十分持っていると思います。

近年は有色人種に有利?

一番有利な点は、近年有色人種に対しての門戸が開いているという点ですね。白人中心と非難され続けているグラミー賞ですが、投票メンバーも女性や有色人種を増員するなどの動きがあります。今年の新会員の内訳は女性が48%、アフリカ系アメリカ人が21%、ヒスパニック系が8%、アジア系が3%と、性別や人種も考慮されているようです。(アジア人が少ないのは気掛かりです)

差別に対してボイコットや受賞式での批判など近年増えています。白人警官による黒人暴行死事件が起こったこともあり、有色人種に対して配慮しようとする社会的な流れもあります。この流れを受ければ、有色人種で実績のあるBTSを選ぼうという意思が働いてもおかしくはないです。今回の主要4部門を見ても、女性シンガーや有色人種が割合を多く占めていたりしますし、女性や有色人種が受賞しやすい背景はあると思います。

「アイドル」なのか「アーティスト」なのか

正直、グラミーはアイドルに優しいイメージはありません。選考する投票メンバーはレコーディング・アカデミーの会員で、世界トップレベルのミュージシャンやプロデューサーなどの団体です。アーティストとしてのソングライティング能力や演奏能力は高いのか?ということも重要視されます。アイドルとして見られがちなBTSも各メンバー楽曲制作は行っています。この点がどう評価されるかですね。

別の見方をすれば、「アジア人のアイドルがアメリカで受け入れられた」という点が、人種差別が根強いアメリカで評価される可能性もあります。そうなると、アジア人のアイドルであることが逆に評価される可能性があります。白人優位と言われ続けるグラミーの意識改革がどの程度進んでいて、アジア人を評価出来るかどうかも注目です。

昨年のグラミーとの違い

第61回、62回と授賞式でパフォーマンスを行っているものの、ノミネートはされませんでした。特に去年は実績や知名度を考えて、少なくとも「ベストワールドミュージックアルバム」にはノミネートされるという前評判もありました。それを受けて今年は、少し戦略を変えた部分もありそうです。ノミネートされた楽曲「Dynamite」が全て英語詞だという点です。これまで、BTSは韓国語にこだわっていました。しかし今回はアメリカ人のリスナーを意識した戦略なのか、すべて英語詞で、最近トレンドであるディスコポップなサウンドに仕上げています。その結果「Dynamite」という、ポップで一般のリスナーも受け入れやすい楽曲は見事ノミネートされました。

ノミネートされた他の楽曲との比較

上でも触れている通り、「Dynamite」は今のトレンドと大衆的なリスナーを意識して作られた楽曲だと思います。これまでグラミーで受賞した「ポップデュオ/グループ」分野での楽曲を見てみると、「世代を問わず、誰もが聞きやすく、馴染みやすい楽曲」であることが多いです。この点では、条件はクリアしているように思われます。

他の楽曲を見てみるとどれも質は高いですが、「ポップさ」という点で言えば「Dynamite」は有利かと思います。しかしながら、今年は主要4部門にノミネートされているテイラー・スウィフトとデュア・リパの存在感が大きいです。一気に勢いで複数受賞することもあり得ます。それに加えて、ジャスティン・ビーバー、レディ・ガガ&アリアナ・グランデと、これまでグラミー受賞経験者が並んでいます。誰が受賞するのか、かなり予測困難です。そんな中で、BTSが選ばれれば快挙ですね。でも、上記で述べた要因を考えると受賞する機運は高まっている状況ではあると思います。

個人的受賞予想は、BTSの「Dynamite」テイラー・スウィフトの「exile」 かなと思いますね。次点でレディ・ガガ&アリアナ・グランデ「Rain on me」かな?と思います。絞るのが難しいところですね。まあ、デュア・リパも全然あり得ますし、誰がとっても驚きはないラインナップです。


今年のグラミーもパフォーマンスアーティストも豪華ですし、見所がたくさんですね。発表を楽しみに待ちましょう。

※授賞式は、日本時間では3月15日(月)の午前中〜昼頃の予定です。
※3/15午前9時〜WOWOWプライムで生放送されます。夜10時からも字幕付きで、再放送されるようです。
↓スカパー経由でWOWOWを見ることができます。


 

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